日常

しがない生活

学生

あと3日で幼稚園から続いた学生という身分が終わります。19年間。どんな書類やアンケートにも学生という欄に丸をしてきました。学生に縛られていたし、学生に甘えていた。とくに学割には。

 

とくにきっと変わらない。変われない。変わらずに、慣れていく。ひたすらに慣れる。それだけかなと。「変わった」というのはきっと、ふと振り返ってこんなに月日が経って、「ああ、あの時と比べれば」と思えた瞬間だと。

 

大学3年の終わりから四年生にかけて「学生は」と言われることにむかついていた。社会人のことは知らないけれど、色々な大人に会ったし色々な大人と関わった。「学生は」と言われるたびに、自分はどこに行ったんだろうと思った。学生という人間じゃないのになあと。

 

学生を学生だと見下し蔑み勝手に憐れむ大人がバカほどいる。そんな学生は、あなたよりずっと上手にプレゼンをするし、あなたよりずっと色々なことを知っている。色々なことに挑戦しているし、思っている以上には挫折を繰り返している。あなたの大学生活と同じだったと、勝手に思い込まないでほしい。そう思ってしまうほど、周囲にいた人間はキラキラしていた。ずっと面白いものを生み出し続けていた。大学生は自由だけど、決して遊び放題なんかじゃなかったし、ちゃんと競争のある厳しい世界だったよ。

 

学生という人間を「学生」だと終わらすくせに、「学校」という場所に信頼を抱いている矛盾な大人が多すぎる。教師という人間も、ひょっとしたらそうかもしれない。

 

この先永遠に建築に関わるのかと尋ねられたらそれはちっともわからない。7月には試験を受けるし、その一年後にはまた試験を受けるつもりでいる。ひとつずつそうやって武器を増やしていく。足りない経験は知識で補える、すこしだけ。そう思って本を読んできたし、本を読んでいる。

 

この4年間で大きめの本棚は二つになった。もうその二つもいっぱいいっぱいになっている。全部よんだの?ときかれると、答えはノー。本棚は読んでない本があるから輝くのよと誰かが言っていた。自分もそうだと思う。

 

また会えるかな、って聞いたら、会うよ、会おうよって帰ってきたことが嬉しかった。また会える日まで、またね。